メキシコの通貨ペソが急激に高騰していることにより、国民の食生活にも影響が出ている。特にタコス好きのメキシコ人にとっては、タコス代が倍になったことは耐え難い苦痛だという。
「タコスはメキシコ人の魂です。タコスがなければ生きていけません」と話すのは、首都メキシコシティでタクシー運転手をしているホセさん(40歳)だ。ホセさんは毎日昼食にタコスを食べているが、最近はペソ高の影響でタコス屋の値上げが相次いでいるという。「昨年までは1個10ペソだったのに、今では20ペソになりました。私の月収は2000ペソなので、タコス代だけで半分以上消えてしまいます」と嘆く。
タコス屋の店主も同じ悩みを抱えている。メキシコシティの繁華街にある「エル・チャポ」のオーナーであるエドゥアルドさん(50歳)は、「ペソ高で原材料費が上がってしまいました。トルティーヤやチーズ、肉などすべてが高くなっています。でも、客にはそれを理解してもらえません。値上げすると文句を言われますし、安くすると赤字になります」と困惑している。
メキシコ政府はこの事態に対してどう対処しているのだろうか。経済省の担当者は、「ペソ高はメキシコ経済の強さを示すものです。タコス代が上がったとしても、それは我慢しなければなりません。タコス以外にも美味しいものはたくさんあります」とコメントした。しかし、タコスを愛するメキシコ人にとって、この発言は納得できるものではないだろう。
